2024年1月31日時点
第1 基本的な考え方
医療と介護の両方を必要とする状態の患者が可能な限り施設での生活を継続するために、医療保険で給付できる医療サービスの範囲を以下のとおり見直す。
① 介護保険施設及び障害者支援施設において対応が困難な医療行為について医療保険による算定を可能とする。
② 令和6年3月末をもって介護療養病床が廃止されることに伴い、医療保険で給付できる医療サービスの範囲について、介護療養病床に関する記載を削除する。
③ 保険薬局の薬剤師が介護老人保健施設及び介護医療院に入所する患者に対し、専門的な薬学管理が必要な薬剤の調剤や服薬指導等を行った場合の医療保険と介護保険の給付調整の範囲を見直す。
第2 具体的な内容
1.介護老人保健施設に入所している末期の悪性腫瘍の患者に対する放射線治療の医学管理及び緩和ケアの医学管理に関する費用を医療保険において算定可能とする。
2.介護老人保健施設に入所している患者に対し、当該介護老人保健施設の医師及び当該介護老人保健施設の併設医療機関に所属する医師(以下「当該介護老人保健施設等の医師」という。)以外の医師が、高度な薬学的管理を必要とする薬剤を処方した場合、処方箋の発行にかかる費用を医療保険において算定可能とする。
3.介護老人保健施設及び介護医療院における重症心不全患者に対する植込型補助人工心臓(非拍動流型)に係る指導管理の費用を医療保険において算定可能とする。
4.介護老人保健施設及び介護医療院に入所している患者に対し、当該施設の医師以外の医師が、高度な薬学的管理を必要とする薬剤に係る処方箋を発行した場合に、応需した保険薬局における調剤等にかかる費用を医療保険において算定可能とする。
5.新興感染症等発生時において、施設に入所している感染症患者に対して医師の処方箋に基づき薬剤師が訪問して薬剤交付・服薬指導した場合、医療保険において算定可能とする。
【介護老人保健施設入所者について算定できない診療料】
[算定要件]
第1部 併設保険医療機関の療養に関する事項
4 その他の診療料
併設保険医療機関に係る緊急時施設治療管理料、施設入所者自己腹膜灌流薬剤料及び施設入所者材料料以外の診療料の算定は、第1章及び第2章の例による。ただし、第1章及び第2章に掲げる診療料のうち次に掲げるものについては算定しない。
イ 第1章基本診療料並びに第2章特掲診療料第1部医学管理等(がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料(悪性腫瘍の患者に限る。)及び外来放射線照射診療料を除く。)及び第2部在宅医療に掲げる診療料(在宅植込型補助人工心臓(非拍動流型)指導管理料を除く。)
ロ~リ (略)
第2部 併設保険医療機関以外の保険医療機関の療養に関する事項
4 その他の診療料
併設保険医療機関以外の保険医療機関に係る施設入所者共同指導料、施設入所者自己腹膜灌流薬剤料及び施設入所者材料料以外の診療料の算定は、第1章及び第2章の例による。ただし、第1章及び第2章に掲げる診療料のうち次に掲げるものについては算定しない。
イ (略)
ロ 第2章特掲診療料第1部医学管理等に掲げる診療料(がん性疼痛緩和指導管理料、外来緩和ケア管理料(悪性腫瘍の患者に限る。)、外来放射線照射診療料、退院時共同指導料1、診療情報提供料(Ⅰ)(注4に掲げる場合に限る。)及び診療情報提供料(Ⅱ)を除く。)
ハ 第2章特掲診療料第2部在宅医療に掲げる診療料(往診料及び在宅植込型補助人工心臓(非
拍動流型)指導管理料を除く。)
二~ル (略)
【介護老人保健施設入所者について算定できない検査等】
[施設基準]
第十六 介護老人保健施設入所者について算定できない検査等
一 (略)
二 介護老人保健施設入所者について算定できる投薬医科点数表F400に掲げる処方箋料(三に規定する薬剤を投与した場合に限る。)
三 (略)
四 介護老人保健施設入所者について算定できる注射及び注射薬の費用
(中略)
医科点数表区分番号G001に掲げる静脈内注射(保険医療機関の保険医が平成十八年七月一日から令和八年三月三十一日までの間に介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十号)附則第十三条に規定する転換を行って開設した介護老人保健施設(以下「療養病床から転換した介護老人保健施設」という。)に赴いて行うもの、医科点数表区分番号B001-22に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料、医科点数表区分番号B001-24に掲げる外来緩和ケア管理料(悪性腫瘍の患者に限る。)、医科点数表区分番号B001-2-12に掲げる外来腫瘍化学療法診療料の1のイ若しくは2のイ又は医科点数表第二章第六部注射通則第6号に規定する外来化学療法加算を算定するものに限る。)
※ G000に掲げる皮内、皮下及び筋肉内注射、G004に掲げる点滴注射、G005に掲げる中心静脈栄養、G006に掲げる植込型カテーテルによる中心静脈栄養についても同様。